それ、四十肩・五十肩かもしれません
朝は重だるいだけなのに、洗濯物を上げる瞬間に肩がズキッと痛む。
肩たたきは平気でも、腕を後ろに回すと鋭い痛みが走る。
こんな“動かした時だけ刺さる痛み”は、単なる筋疲労型の肩こりとは性質が違う可能性があります。
僕も在宅勤務期に「寝違えかな?」と油断して悪化させたことがあり、日常動作での痛み方をメモしただけで受診判断がラクになりました。
“重だるさ中心=肩こり”“動作で刺さる痛み+動かしにくさ=四十肩・五十肩の疑い”という目印を持っておくと迷いにくいです。
全体像を地図として手元に置きたい方は、まずロードマップで肩こり改善の流れを確認しておくと動きやすいです。
【関連記事】:肩こり改善ロードマップ|原因チェックからセルフケア・受診まで

結論:見分け方は「痛む瞬間・可動域・夜間痛」
まず押さえたいのは、肩こりは同じ姿勢で重だるい・押すと気持ちよいが中心。
一方、四十肩・五十肩は腕を上げる・後ろに回すなど特定方向で鋭い痛みが出やすく、夜間痛で眠りが途切れることもあります。
“見分けの3点セット”を先に決めておくと、対応の順番がぶれません。
凍結肩とは?
肩関節の周囲に炎症や癒着が起き、可動域が狭くなる状態のこと。いわゆる四十肩・五十肩の総称です。
チェックのコツは次の3点です。
見分けの3ポイント
- 痛む瞬間:腕を上げる/後ろに回す/上着を着る動作でズキッと来るか
- 可動域:反対側に比べて“明らかに”上がりにくい角度があるか
- 夜間痛:寝返りや就寝中に痛みで起きることが増えたか
3つのうち2つ以上に当てはまるなら、無理押しのストレッチは避けて段階的ケアへ。
僕は“温め→可動域づくり→姿勢調整”の順に切り替えただけで、日中の“ビリッ”が減りました。
だから、順番を整えるのが近道なんですよね。
詳しい“温め方と順序”は入浴のハウツーが役立ちます。
【関連記事】:入浴で肩こり改善|温熱療法と血行促進の正しいやり方
受診の判断が迷うときは、基準を先に確認すると安心です。
【関連記事】:受診の目安・危険サイン早見表

具体的なセルフチェック&基礎ケア手順
「これ、肩こり?それとも四十肩・五十肩?」—迷ったら、短時間でできるセルフチェックから始めましょう。
痛みが強い日は無理をせず、“気持ちよく動ける範囲だけ”が原則です。
まずは“どの動きで刺さるか(痛む瞬間)”を把握し、次に“可動域をやさしく広げる”順で進めます。
可動域とは?
関節が安全に動かせる範囲のこと。角度の広さだけでなく、痛みや力みの少なさも含めて考えます。
チェック(痛む瞬間の把握)
- 横から腕をゆっくり上げ、90度以降でズキッと来るか確かめる
- 背中のファスナーに手を回す動作で鋭い痛みが出るか
- 寝返りや上着を着る瞬間に痛みで動きが止まるか
上のうち2つ以上で“刺さる痛み”が出るなら、強いストレッチは避けて、温め→やさしい可動域づくり→姿勢の整えへ切り替えましょう。
姿勢と画面位置の整えは戻り防止に有効です。
【関連記事】:デスクワーク姿勢大全|腰痛を防ぐ正しい座り方と改善法まとめ
基礎ケア(毎日5〜10分のミニセット)
- 温め:蒸しタオルを肩前〜脇の下に2〜3分。位置を少しずつずらしながら温める
- コッドマン体操:前傾で腕をぶら下げ、振り子のように小さく前後・左右に10〜20回
- 壁指歩き:壁に指をつけ“痛み未満”で指を上へ歩かせ、心地よいところで5秒呼吸×数回
- 肩甲骨リセット:肩すくめ→ストンを5回、深呼吸を2回
この順番は“温め→可動域→力みオフ”。
短くても毎日続けると、日中の“ビリッ”が減っていきます。
入浴をうまく使うコツは下記がわかりやすいです。
【関連記事】:入浴で肩こり改善|温熱療法と血行促進の正しいやり方
睡眠時の痛み対策(夜間痛がある方)
- 抱き枕やタオルを胸の前に抱え、患側を少し前に出して寝る
- 枕は横向きで首が沈みすぎない高さに調整
- 冷える日は就寝30分前に首〜肩を温める
夜の安定は翌日の可動域にも波及します。
寝具選びに迷ったら“高さ”“硬さ”“寝姿勢”の考え方を比較ページでチェックしましょう。
【関連記事】:整体枕・ストレートネック枕おすすめ比較
週2〜3回の補助アイテム(痛みコントロール用)
- ホットパック:運動前に3〜5分で筋のこわばりを緩める
- EMS/低周波:熱感やしびれが強くない日だけ短時間で使用
- 温冷ケア:入浴で温め+うなじに常温シャワー10秒でリセット
価格や条件の比較はまとめページが便利です。
無理なく試せる範囲で十分ですよ。
【関連記事】:温熱・温冷ケアグッズおすすめ2025|肩こり腰痛に効く最新比較

h2>背景とデータで理解する違い(経過・炎症・戻りやすさ)
「昨日より上がるけど、週末に家事を頑張ったら逆戻り…」。
四十肩・五十肩でありがちな“進んだり戻ったり”は、肩関節まわりの炎症や硬さが関係しています。
初期は炎症で痛みが出やすく(凍結に向かう時期)、中期は動きの制限が強く、後期に少しずつ解けていきます。
だから運動量を上げるタイミングは“痛みが落ち着いてから”がセオリーで、焦って強い伸ばしを入れると夜間痛が増えがちです。
炎症とは?
組織がダメージや刺激を受けた際に起こる反応のこと。腫れ・熱感・痛み・機能低下がセットで出やすい現象です。
回復の“土台”を作る3本柱を並行しましょう。
回復の三本柱
- 炎症コントロール:温め方・休め方を調整し、痛い日は可動域づくりを短時間に。
- 姿勢と作業環境:画面・椅子・腕の高さを整え、肩前の突っ張りを減らす。
- 睡眠:夜間痛の軽減で翌日の可動域を守る。
診断と治療の全体像は、専門家の流れを先に押さえておくと安心です。
【関連記事】:整形外科医が解説する肩こり・腰痛の診断と治療の流れ
「自分の症状、どのタイプ?」と迷うときは、セルフチェック表で全体像を見てから引き出しを選ぶのが効率的です。
四十肩・五十肩“っぽい”場合は、痛みが強い局面での筋トレは保留にし、温め+可動域づくり中心に切り替えを。
【関連記事】:肩こり腰痛セルフチェック表|症状別原因と改善法ナビ

応用編:生活・家事・仕事での動かし方
洗濯物を高く上げた瞬間や、エプロンの紐を背中で結ぶ時だけズキッ…。
「普段は平気なのに動作で刺さる」—これが四十肩・五十肩の“あるある”です。
だからこそ日常の動きを“痛まない軌道”に置き換えるのが近道。可動域の中でやさしく行いましょう。
チェックリスト(置き換えのコツ)
- 高い所へ腕を伸ばす → 台を使い“胸の前”の高さで作業する
- 背中で手を回す(エプロン/下着) → 前で留めてからクルッと回す
- 上着を着る → 患側から袖を通す/脱ぐ時は患側を最後に抜く
- 髪を結ぶ → 肘を支えながら胸の前で準備→頭の後ろにそっと運ぶ
- 重い荷物を持つ → 体に近づけ、肘を曲げたまま抱える(脇を開かない)
リストは“痛い方向に押し切らない”ための工夫集です。
動作前に首〜肩前面を温めておくと、筋のこわばりがほどけて軌道がスムーズになります。
家事や運転で肩に負担がかかりやすい場面の具体例は下記にまとまっています。
【関連記事】:家事・運転で起こる肩こり改善|日常動作別セルフケア法
在宅・デスクワーク中は、肘の位置と画面の高さを整えるだけで肩前の突っ張りが減ります。
目線はやや下、肘は90度前後、手は体の近くに。60分ごとに“肩すくめ→ストン”の脱力を合図化しましょう。
詳しい配置の作り方は次をどうぞ。
【関連記事】:在宅勤務の肩腰ケア大全|腰痛を防ぐ姿勢習慣とおすすめグッズ
回復期に入ってきたら、補助アイテムで“短時間×低強度”の刺激を追加するのも手です。
例えばマッサージガンは強刺激はNGですが、後期で痛みが落ち着いた日に肩甲骨まわりへ軽く当てると、可動域づくりがスムーズになることがあります。
比較は下記をご確認ください。
【関連記事】:首こり&肩こり特化マッサージガンおすすめランキング

失敗しやすいパターンと受診の目安
「痛いほど伸ばせば早く治るはず」。
この思い込みは逆効果です。
炎症期に強いストレッチを続けると、夜間痛が増えて眠れなくなることもあります。
更年期に限らず四十肩・五十肩は“攻めすぎない段取り”が回復の近道です。
チェックリスト(ありがちNG→置き換え)
- 痛む方向への反復ストレッチ → 温め→振り子運動→壁指歩きへ置き換える
- 一度に長時間ケア → “1〜3分×数回”のミニセットへ分割する
- 痛み止めで無理に作業継続 → 作業量を小分けにし休憩を先に確保する
- うつ伏せで腕上げ(疼痛期) → 肘を体側に寄せた可動域づくりだけに限定する
デスク作業が長い日は、目線やや下・肘90度・手は体の近くで肩前の突っ張りを減らしましょう。
具体的な工夫は下記にまとまっています。
【関連記事】:長時間PC作業で肩腰に負担をかけない工夫
受診の目安は次の通りです。
①夜間痛で眠れない日が続く/②しびれや脱力を伴う/③発熱や外傷後に悪化/④数週間たっても改善が乏しい。
迷ったら医療で原因確認を。
【関連記事】:受診の目安・危険サイン早見表|今すぐ受診?様子見?の基準
【関連記事】:肩こり腰痛で病院に行くべきタイミングと診療科の選び方
【関連記事】:整形外科医が解説する肩こり・腰痛の診断と治療の流れ

FAQ
Q肩こりと四十肩・五十肩、最短で見分けるコツは?
A痛む瞬間(挙上/背中回し)・可動域差・夜間痛の3点。2つ以上当てはまれば四十肩・五十肩を疑い、無理なストレッチは避けましょう。
Qどのくらいで良くなりますか?
A個人差は大きく、数か月〜1年以上の波が一般的。疼痛が落ち着いてから可動域づくり→筋力回復へ段階的に進めると“戻り”が少なくなります。
Q運動はしても大丈夫?
A疼痛期は“温め→振り子運動→壁指歩き”の低刺激に限定。痛みが和らいだら肩甲骨や体幹の軽い筋トレへ移行します。強い伸ばしは禁物です。
Q受診は何科に行けば良い?
Aまずは整形外科が基本。神経症状やめまいが強い場合は内科・脳神経内科なども検討。判断基準は下記にまとめています。
【関連記事】:受診の目安・危険サイン早見表
まとめ
四十肩・五十肩は「同じ姿勢で重だるい」中心の肩こりと違い、動作で刺さる痛み・可動域の明確な制限・夜間痛が鍵になります。
ここを押さえたうえで、ケアは“順番”と“強度のさじ加減”がすべてです。
まずは炎症を刺激しない温めと低刺激の可動域づくりで土台を作り、落ち着いたら姿勢と軽い筋トレを足していきましょう。
要点チェック(コアの3点)
- 見分けは「痛む瞬間・可動域・夜間痛」。2つ以上で四十肩・五十肩を優先視
- ケアは“温め→可動域づくり→姿勢→(痛み軽快後)筋トレ”の順で段階的に
- 赤信号(夜間痛/しびれ/発熱/外傷後悪化/長期停滞)は受診で原因確認
次に、今日からの行動を負担の少ない順に並べます。
“1〜3分のミニセット”を生活の隙間に差し込むだけでOKです。
行動プラン(14日スモールステップ)
- Day1-3:蒸しタオルで肩前〜脇の下を2分→コッドマン体操20回→肩すくめ→ストン5回
- Day4-6:壁指歩きで“心地よいところ”まで上げて5秒×3回→深呼吸2回
- Day7-9:デスク環境を調整(目線やや下/肘90度/手は体近く)→60分ごとに脱力合図
- Day10-12:入浴後に振り子運動+肩甲骨まわし各10回(痛み軽快日だけ)
- Day13-14:痛みが落ち着いたら壁プッシュアップ10回×2(隔日)
在宅・オフィスでの配置は下記が詳しいです。
【関連記事】:デスクワーク姿勢大全|腰痛を防ぐ正しい座り方と改善法まとめ
「自分はどのタイプ?」に迷ったらセルフチェックで全体像を確認しましょう。
【関連記事】:肩こり腰痛セルフチェック表|症状別原因と改善法ナビ
家事・仕事では“痛まない軌道”に置き換えるのが近道です。
【関連記事】:家事・運転で起こる肩こり改善|日常動作別セルフケア法
受診が必要なときの流れは、先に把握しておくと安心です。
【関連記事】:整形外科医が解説する肩こり・腰痛の診断と治療の流れ

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