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妊娠中の肩こり対策|安全にできるセルフケアとツボ押し法

「いつもより肩が重い…」妊娠中の“固まる感じ”、無理せず整えましょう(この記事でわかること)

つわりが落ち着いてきたのに、首〜肩がずっしり。
座っているだけで肩が張って、夜は寝返りで目が覚める…。

そんな“妊娠あるある”の肩こりは、体型やホルモン、寝姿勢の変化が重なって起きやすくなります。

焦って強いストレッチをするより、「安全に・こまめに・やさしく」が近道です。
妊娠期は無理せず・短時間で・回数でカバーする設計に切り替えると、翌日のラクさが変わります。

この記事でわかること

  • 妊娠中でも安心してできる肩こりセルフケアの順番
  • 避けたい体勢や強いツボ刺激など、安全面のポイント
  • 受診の目安と、デスク・寝具の整え方のコツ

全体像を先に地図で押さえたい方は、基礎からの流れをまとめたガイドも合わせると進めやすいです。
【関連記事】:肩こり改善ロードマップ

「がんばるほど効く」ではなく、「やさしく続けるほど効く」。妊娠期はこれが合言葉です!

結論:安全第一の三本柱「整える・ほどく・温める」

最初に結論です。
①座り方と寝姿勢を“整える”
②首肩まわりを“やさしくほどく”
③入浴や蒸しタオルで“温める”—この三本柱を短時間×回数で回すのが基本です。

反対に、長時間の仰向け姿勢強いツボ押し・過度な温熱は避けます。
特に妊娠中期以降は、体勢や温度に敏感に—“ぬるめ×短め”が合言葉です。

入浴はぬるめ+短めが安心。

高温の長風呂やサウナは避け、蒸しタオルなどで局所を温めてから小さく動かす流れにしましょう。
一方で、会話できる強度の軽い運動やストレッチは、こりと気分の両面にプラスです。
細切れで合計していけばOK。

具体的な温め方や順序は、次のハウツーが使いやすいですよ。
【関連記事】:入浴で肩こり改善|温熱療法と血行促進の正しいやり方

私は「蒸しタオル90秒→肩すくめ→ストン」を1日3回。これだけでも夕方の張りがぜんぜん違いました!

基礎テクニック:妊婦さん専用“安全ルーティン”

まずは座り方を“先に”整えます。

お腹が前に出ると背中が反りやすく、肩前が詰まりやすいんですね。
椅子は深く座り、肘は90度前後、画面は目線より少し下。
1時間ごとに“肩すくめ→ストン”で力みを手放しましょう。

長時間の仰向けや急な起き上がりは避け、小まめに体勢を変えるのがコツです。

座り方・配置のチェックポイント

  • 骨盤はクッションで軽く支え、背もたれに骨盤ごと“預ける”
  • 肘は体に近づけ、前ならえにならない配置に
  • 足裏は床にぺたん、膝は股関節と同じか少し高め
  • 60分ごとに肩すくめ→ストン×5回+深呼吸2回

 

次に“やさしい可動域づくり”。
痛気持ちいい未満で、振り子運動(コッドマン体操)や肩甲骨の小さな円運動をゆっくり。

吐く息を長めにして、首すじの力を抜くイメージです。
仕上げは“ぬるめで温める”。

就寝前や入浴後、蒸しタオルを首〜肩に当て2〜3分→そっと可動域運動という順番に。
のぼせや息切れを感じたらその場で中止、高温長時間は避けます。

より具体的な座り方の整え方は下記が参考になります。
【関連記事】:デスクワーク姿勢大全

「完璧な30分」より「気づいたら1分」を何度も。これが妊娠期の続け方のコツなんです!

妊娠中のツボ押しは“弱く・短く・安全な部位だけ”

ツボ押しは“補助メニュー”として弱い圧で行いましょう。

肩周り(僧帽筋上部など)を狙い、深呼吸に合わせて3回ほど。
強い痛みが出る押し方はNGです。
妊娠中は強圧・長時間・広範囲を避け、短時間でやさしくが基本。

避けたい(強刺激を控える)代表的ポイント

  • 合谷(ごうこく/LI4):手の甲の親指と人差し指の間
  • 三陰交(さんいんこう/SP6):内くるぶし上のやや後方
  • 下腹部への直接・強圧の刺激全般

肩こり向けの基本ツボと、やさしい押し方のコツは下記にまとめています。
【関連記事】:肩こり改善のツボ押し完全ガイド|即効性セルフケアと注意点

“気持ちいい手前で止める”が黄金ルール。肩が「ふぅ…」とため息をつくくらいのやさしさで!

妊娠特有のからだの変化と肩こりの関係を“地図”で理解する

妊娠中は体重と重心の変化で背中が反りやすく、肩の前が詰まりがちになります。

加えて睡眠の揺らぎやストレスで自律神経が乱れやすく、首〜肩のこわばりを感じやすくなるんですね。
だからこそ「姿勢・自律神経・睡眠」を三位一体で整えると、翌日のラクさがガラッと変わります。

自律神経とは?


心臓・呼吸・体温などを24時間コントロールする神経のネットワーク。ストレスや睡眠不足でバランスが崩れると、筋のこわばりや痛みの感じ方が強まりやすくなります。

在宅ワークで座位時間が増えると、気づかないうちに肩前が常にすぼまり、夕方に“固まる”感覚が増えがちです。

まずは「画面は目線より少し下・肘90度・手は体の近く」を固定し、60分ごとの“肩すくめ→ストン”で脱力を合図化しましょう。
姿勢の整え方は下記のガイドが動線づくりに便利です。
【関連記事】:デスクワーク姿勢大全|腰痛を防ぐ正しい座り方と改善法まとめ

 

「座り方→呼吸→1分ケア」の順にスイッチを入れると、日中の“固まる感じ”が目に見えて減ります!

週数別・季節別の工夫

妊娠初期は体調が揺れやすく、中期はお腹が前に出て反り腰ぎみに、後期は仰向けや寝返りがつらくなります。
“同じメニューを毎日”ではなく、週数と季節に合わせて微調整するのがコツです。

仰臥位(ぎょうがい)とは?


あお向けに寝た姿勢のこと。妊娠後期は長時間の仰臥位を避け、横向き+抱き枕で体を支えるのが安心です。

初期(〜13週)のポイント

  • 体調が読みにくい日は「座り方の調整+肩すくめ→ストン5回」だけでもOK
  • においやのぼせが強い日は蒸しタオルを短時間にし、吐く息長めの呼吸で力みを抜く

 

中期(14〜27週)のポイント

  • 骨盤後ろをクッションで軽く支え、肘は体の近く(前ならえ禁止)
  • 可動域づくりは振り子運動→壁指歩きの低刺激ルートで

 

後期(28週〜)のポイント

  • 仰向け長時間は回避。横向き+抱き枕で胸前とお腹を支える
  • 就寝前は“ぬるめ×短め”で温め→小さく動かすを数分だけ
  • 家事や棚作業は台を使い、胸の高さで完結させる

睡眠の整え方は、翌朝の肩の動きに直結します。

横向きで首が沈みすぎない枕に整え、胸前にクッションを抱えると夜間のこわばりがやわらぎます。
より詳しい工夫は次をご参照ください。
【関連記事】:睡眠不足で悪化する肩腰痛|快眠ストレッチと改善工夫まとめ

“今日はBプラン(短時間)”“明日はCプラン(さらに短時間)”。引き出しを事前に決めておくと、気持ちも体もラクです!

「がんばって伸ばしたら余計つらい…」そんな日は“攻めない段取り”

妊娠中は「しっかり伸ばせばほぐれるはず!」と気合いを入れたくなりますよね。
でも強い刺激はかえって筋のこわばりを招き、夜にどっと疲れが出ることもあります。
迷ったら“座り方→小さく動かす→ぬるめで温める”の順に戻る—これが安全で最短の道筋です。

チェックリスト(ありがちNG→こう直す)

  • 朝いきなり強くストレッチ → 蒸しタオル90秒→肩すくめ→ストン→振り子運動へ置き換える
  • 長時間の仰向けストレッチ → 横向き+抱き枕で“ほんの少し動かす”に変更
  • 冷房直撃のまま作業 → 首元を一枚プラス/60分ごとに脱力リセット
  • 高い棚で腕を無理に上げる → 台を使って胸の高さで完結させる

デスク時間が長い方は、作業環境を“先に”整えると戻りにくくなります。
詳しい動線づくりは次のハンドブックがおすすめ。
【関連記事】:在宅勤務の肩腰ケア大全|腰痛を防ぐ姿勢習慣とおすすめグッズ

“がんばるほど効く”より“やさしく続けるほど効く”。今日は肩の機嫌をとる日—これくらいでちょうど良いんです!

受診の目安と病院の選び方

妊娠中は“安全側に倒す”が基本です。

夜間痛で眠れない、しびれ・脱力、発熱やけがの後に悪化、数日〜数週間で改善が乏しい、肩だけでなく胸の痛みや息切れが強い—こうしたサインがあればセルフケアより先に医療で確認しましょう。

受診時は妊娠週数・服薬歴・痛む動作メモ(挙上/背中回し/寝返りなど)を持参するとスムーズです。

受診の目安(チェック)

  • 夜間痛で眠れない/痛みで寝返りができない日が続く
  • 腕や手にしびれ・脱力を伴う/物を落とすことが増えた
  • 発熱や外傷後に悪化した/赤み・腫れ・熱感が強い
  • 数日〜数週間で改善が乏しい/日常動作が大きく制限される

まずは整形外科へ。必要に応じて産科主治医と連携してもらう流れが安心です。
“いつ・どこへ”の基準は下記に整理しています。
【関連記事】:受診の目安・危険サイン早見表
【関連記事】:肩こり腰痛で病院に行くべきタイミングと診療科の選び方
【関連記事】:整形外科医が解説する肩こり・腰痛の診断と治療の流れ

“迷ったら相談”は立派なセルフケア。早く安心できるほど、その後の毎日も軽くなります!

FAQ:よくある疑問

Q妊娠中のツボ押し、どのくらいの強さが安全ですか?
A“気持ちいい手前”の弱い圧で3回程度。痛みや違和感が出たら中止し、強圧・長時間・広範囲は避けます。

Q温めはどのくらいが目安?
Aぬるめ×短めが基本。蒸しタオル2〜3分→やさしい可動域づくりへ。のぼせや息切れを感じたら休みましょう。

Q市販薬や湿布は使っていい?
A妊娠週数や成分で判断が分かれます。自己判断は避け、必ず産科主治医や薬剤師に相談してください。

Qデスク作業が長い日、まず何を直せばいい?
A目線の高さ・肘90度・足裏ぺたんの3点。60分ごとに“肩すくめ→ストン”で脱力を合図化しましょう。
【関連記事】:デスクワーク姿勢大全

まとめ:要点3つ+今日からの行動プラン(やさしく続ける仕組み化)

妊娠中の肩こりは、体型の変化や睡眠の揺らぎ、同じ姿勢の積み重ねが重なって起きやすくなります。
だからこそ“安全第一で、短時間を何度も”が近道。強い刺激よりも、順番と段取りが効きます。
核心は整える→ほどく→温めるの三本柱を“弱く・短く・こまめに”回すこと。

要点チェック(コアの3点)

  • 整える→ほどく→温めるを固定ルート化(ぬるめ×短め)
  • 仰向け長時間と強いツボ刺激は避け、横向き+抱き枕で夜を守る
  • 60分ごとに“肩すくめ→ストン”で脱力を合図化し、環境を先に直す

グッズ活用は“補助”として。妊娠中も使いやすい温熱グッズや軽いケア用品を、無理のない範囲で取り入れると“短時間×回数”が続けやすくなります。
【関連記事】:温熱・温冷ケアグッズおすすめ2025|肩こり腰痛に効く最新比較

睡眠環境の見直しは翌朝のラクさに直結。横向きで首が沈みすぎない枕に整え、胸前にクッションを抱えるのがコツです。
【関連記事】:整体枕・ストレートネック枕おすすめ比較

体験談からの学びをひとつ。完璧な30分を目指すより、「蒸しタオル→肩すくめ→振り子」の1分ルーティンを何度も回した日の方が、夕方の張りが目に見えて軽くなりました。
つまり、短くても、回数で勝つ—これが妊娠期の正解です。

最後は気持ちの一言で。肩は“話せばわかる”パートナー。やさしく誘導すれば、ちゃんと応えてくれます。
今日から“1分ケア”をはじめて、無理なく整えていきましょう!

今回は以上です。全体像を地図で確認したい方は総合ガイドへ。受診判断に迷いやすい方は早見表を手元にどうぞ。
【関連記事】:肩こり改善ロードマップ|原因チェックからセルフケア・受診まで
【関連記事】:受診の目安・危険サイン早見表

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“やさしく・短く・何度でも”。この合言葉だけ覚えておけば、今日から動けます!